宝石の価値1
これまで日本人は宝石というものに対し、一元的な価値観で捉える傾向にあった。宝石とは金銭的余裕のある女性だけが求めることができる、いわば特権階級のためだけに存在する購入物だという考え方である。
この指摘は日本人が宝石に触れたのが明治時代に入ってからであり、それも一部の上流階級に限られていたという歴史に基づいている。
確かに、一般の人々が宝石に慣れ親しみ始めたのはここ20〜30年のことで、西洋の人々と比較すると宝石との関わりは圧倒的に浅い。だが、日本人の宝石を見る眼は確実に養われつつある。それも若い年齢層を中心にしてである。現在の若い人々は、宝石の購買層としては第二世代だといえる。第一世代がその親たちにあたる。
現在50〜60歳代以上の第一世代の人たちは、自分たちの親から宝石を見せてもらうということはほとんどなかった。そういった伝統や歴史的な背景を受け継いでいなかったからである。
宝石の価値2
第二世代の子供たちは、そんな親たちが購入した良質の宝石を自然に見て育ったことで、自然に、宝石を見る眼を養うこととなった。その結果、販売価格に騙されることなく、良いものと悪いものを見分けるシビアな眼を持つようになっている。
これは大変良いことだ。そんな第二世代の宝石購買層の一部にも問題がある。いわゆるブランド志向である。10万円前後で同じようなものを買えるのにも関わらず、100万円近く、またはそれ以上も出して購入している。それらは財産価値は見込めないものばかりである。
宝石を愛し、継承してきた西洋諸国では、若い人がブランドに走ることはない。西洋諸国において、有名宝石店すなわちブランド品を購入する客層は、特別の階級の人たちか、よほどの金持ちに限られる。当然値段も高いが、良いものであれば値段は関係ない、予算などあまり考えない人たちである。
日本の宝石第二世代の若者たちも、ブランド品の宝石を求めるのは、金銭的に余裕が出る年齢になってからで決して遅くはない。今はもっと宝石の価値基準を知ることで、間違いのない宝石選びをする眼を養うことが重要だと思う。